社労士会の推薦依頼から見る「新人社労士として準備しておきたいこと」
社会保険労務士として会員登録をすると、社労士会や支部を経由して様々な仕事の推薦依頼がきます。
ただ「社労士会に登録していれば誰でもOK」というわけではなく、お仕事ごとにスキルや資格の条件があります。
ここ1年で推薦依頼のあった事業をピックアップし、どのようなスキル・条件があるのか書き出してみました。
会員登録したら「どんなスキルを磨いたり、事務所として何を準備すれば良いのだろう?」という、社労士会の事業で期待される人材という違う角度からのヒントなると思いますので参考にしてください。
※なお、表記については加筆・修正を行っています。
推薦依頼から見る「求められるスキル・事務所環境」
相談員に関する推薦依頼 (例)
- 社会保険労務士として登録後3年以上の経験を持ち、年金及び労務一般の相談が出来る会員
- 社会保険労務士として関係法令に精通し、相談員に適していると認めた会員
- 会費を完納していて(口座振替の登録済であること、日頃本会及び支部の運営・研修・行事に協力的である会員)
- 都道府県会の社会保険労務士会会員証を更新済みである会員(まだ更新していない場合は更新することが条件)
- 相談員としての経験を今後本会のために活用してくれる会員
- 電子証明書を取得している会員(まだ取得していない場合は取得することが条件)
- 社会保険労務士賠償責任保険に加入している会員(まだ加入していない場合は加入することが条件)
労務監査事業の推薦依頼(例)
- 社会保険労務士(開業または法人の社員に限る)
- 本事業について来年度以降中心的役割を担うと想定される会員
- オンライン会議やグループウェアの操作に慣れている会員
※ 研修、事前査読、会議、各種報告書類の提出などすべてオンライン上で行うため、ITの操作に抵抗のない方に限らせていただきます。 - その他、都道府県会で定める要件を満たす会員
- 利益相反に該当しないこと
・自身が経営する事務所(法人を含む)と顧問契約関係にある施設等に対し、担当監査員として労務監査業務を行うこと
・監査員として委嘱される期間において、委嘱期間内に労務監査対象施設となる施設との間に顧問契約等を締結すること - 個人情報の漏洩をしないこと
- 本事業に関して知り得た情報をみだりに他人に知らせ、または不当な目的に使用しないこと
外部団体の事業への専門員派遣の推薦依頼(例-1)
- 都道府県会及び支部に対して協力的な会員
- 社会保険労務士賠償責任保険に加入している会員
- xx推進法(対象事業の関連法)に基づく一般事業主行動計画を策定・改善等した実績又はこれに準ずる実務経験を有する会員
外部団体の事業への専門員派遣の推薦依頼(例-2)
- 連絡手段として使用できるパソコンのメールアドレスを所持している会員
- 日常業務のパソコン操作に支障がないと認められ、システムの使用に協力いただける会員
- 事業を通じて社労士の地位が高められるような会員
- 直近の倫理研修で「指導」を受けていない会員
- 事前の研修に積極的に参加していただける会員
「準備するのはスキルだけ」とは限らない
このような内容となっており、傾向として
- 社会保険労務士会の会員であることは必須条件(会費も完納していること)
- 社会保険労務士賠償責任保険に加入していることも必要
- 電子証明書を取得していること
- メールアドレスを持っており、日常のIT操作に問題がないこと
- 職業倫理が守れること(守秘義務や競業避止、利益相反など)
- 今後も継続的に会に貢献してくれること
などが求められています。
相談の経験や、各種事業のテーマに関する実務経験を求められることもありますが、それ以前に、ITをはじめとする事務所環境といったハード面の他、会の活動に貢献してくださることを求めていることが多いようですね。
投稿者プロフィール
- アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア株式会社)、IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社等を経て、社会保険労務士法人アイプラスを創業。人事制度の構築から、労働問題の「具体的な対応策」を知りたい、経営者・人事担当者様向けの労働相談まで対応している。特定社会保険労務士
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