研修で学べない専門家の必須スキルの獲得方法

専門家として身を立てるなら日記を付けよう

社会保険労務士の登録をして専門家としてスタートしたが、まだ専門家として自信がない。どのような勉強をすればいいのでしょうか?」としばしば聞かれます。もちろん、法令や実務の知識の習得も大切ですが、ぜひお勧めしたいことがあります。

それは、
「日記をつける」
です。

法律や労務管理の専門家としてキャリアを積んでいくのに、なぜ日記をつけると良いのか?説明していきます。

日記で鍛えられる3つの力

日記の文章を書くには、

  1. 経験した情報を整理して
  2. 整理した事実の意味や、自分の伝えたいことが何かを考え
  3. 簡潔かつ、分かりやすい文章で表現する

ことが必要になります。

専門家として関係者とコミュニケーションを取ることや、問題解決に向けて提案・実行するには、

  1. 現状を把握し、
  2. 集めた事実から、示唆を発見し、自分の考えをまとめ
  3. 相手に簡潔に伝える

ことが必要となり、日記を書くときに必要となる能力と一致しています。

こういった整理・要約・思考、伝達という能力は「知識ではなく技術」なので、研修を受けたところで身に付く能力ではありません。毎日繰り返し使っていくことで身に着けることができます。
日記をつけるということは、誰でも手軽に出来ることですが、実は専門家として必須スキルを磨くための有効なトレーニングになります。

日記が未来の自分を助ける

日記をつける効果は、専門家としての必須スキルを身に着けるだけでなく、別の効果もあります。
それは何かというと、

 ① 日々の仕事を振り返ることができる

毎日の出来事を記していくことになりますので、仕事のことを中心に記していけば仕事の振り返りができるようになります。さらには、あらかじめ期末や四半期末のページになりたい姿や事業計画を書いておけば、自動的にPDCAを管理することができます。

 ② 将来の自分のためになる

専門家としてのキャリアを歩んでいると、必ず、挫折しそうになる時が訪れます。独立開業して経営をしている場合はなおさらです。

そういったときは、知人・友人の励ましも助けになりますが、その時こそ、これまでつけてきた日記帳を読み直してみてください。
そうすると、いまでは大した問題ではないことに七転八倒し、悩んでいる自分の姿が書かれており、自分の成長を実感できるはず。別のページを読むと未来に対する希望が描かれているでしょう。それを見ると、もうひと踏ん張りする勇気を与えてくれるはずです。

未来の自分へのエールとしての効果もありますし、これは、どこにも売っていない宝物になること間違いありません。

おすすめは5年手帳

日記をつけるノートは普通のノートで構いませんし、SNS、スマホのアプリで日記をつけても構いません。可能であれば1ページに5年分の日記がつけられる、5年の日記帳を使って日記をつけることをお勧めします。

2年目以降になると前年より前の同日の記録を見ることができますので、仕事の繁忙や、早めに手を打っておかなければならないことに気づくキッカケになります。
複数年書き続けることで、年間の業務カレンダーと業務ノウハウ集が出来上がり、先手を打った仕事ができるようになります
5年日記は2,000円程度で購入することができますので、投資と思って購入してみることをお勧めします。

まずは事実を書くことから始めよう

「日記は長続きしない。」
分かります。良く分かります。

「何を書けば良いか迷って、結局何も書かず数日経過して、習慣が続かない。」ということは、よくあることです。
日記が3日坊主にならないためのコツをご紹介すると、それは、

「事実だけを書くこと」

です。

「朝、出社前にコンビニで何を買った」「お昼に何を食べた。」「帰りにどこに寄り道をした」、記憶にある事実を書くだけで充分です。

最初からすごいことを書こうと思ってはいけません。冒頭でもお話したとおり、文章を書くことは「技術」であり、最初から上手に書くことはできません。課題や表現を磨くことは次のステップです。まずは「事実」を書いていくことがコツです。

「明日も書いてみよう」と思う気持ちで日記をしたためてみると日記が継続する可能性は高くなります。
義務感は忘れ、楽しさ、気楽さを優先していくことがコツになります。

文房具にこだわると日記が続く

日記をつけるモチベーションを保つことはもちろん、自分のブランディングという意味でも、少々奮発して高めの筆記具を購入してみましょう。専門家として付加価値を武器に身を立てていくならば、仕事中は販促品としてもらったボールペンや、100均で売っているようなペンを使うことは控えるべきです。

イメージしてみてください。自分が客の立場で、高い費用を払って専門家にお願いするときや、高級品を購入しようとして店舗に行ったときに、相手が安っぽい道具を使っていたらガッカリするのと同じように、「演出」や「ブランディング」は意外と大切です。

実力があれば、見た目はどうでも良い。と思うかもしれませんが、人は見た目で判断するものです。
せっかくの専門性や能力に対して、お客様に価値が伝わらないのは本当に勿体ない。適切な対価で購入してもらうことはもちろん、見た目に配慮をしていくことも、お客様に対する専門家としてのマナーです。

日記を毎日つけるにも、安いペンで書くよりも、高級な筆記具で日記をつけると楽しいですし、あなたが貧乏性ならば「筆記具が勿体ないので、日記を付けなければ。」と、日記をつける動機づけになるでしょう。

筆者の実践例

ちなみに筆者は、

  1. モレスキンのスケジュール帳(空欄に日々の振り返りを記録)
  2. 5年の日記帳(営業やマーケティングの進捗の記録)
  3. モレスキンのノート(自分の内観のための記録)
  4. メンバーさんの行動評価に必要な行動事実の記録用の閻魔帳

の4冊を使っており、日本製や海外製の万年筆(エントリーモデルから、ちょっと高めまで)を何本か使っています。結構メモ魔になりました。

投稿者プロフィール

今井洋一
今井洋一社会保険労務士法人アイプラス代表社員
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア株式会社)、IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社等を経て、社会保険労務士法人アイプラスを創業。人事制度の構築から、労働問題の「具体的な対応策」を知りたい、経営者・人事担当者様向けの労働相談まで対応している。特定社会保険労務士

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